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4月1日

「まず、干しえび、えびのむきみ、そして、しいたけを少しの油で香りが出るまで炒めていく、それから、‧‧‧‧‧‧美味しい台湾焼きビーフン、完成！」。

　昨夜、テレビのグルメ番組に台湾料理が出た。それを見て、何だか我が家のおふくろの味が海を渡って、ここまで漂ってきたような気がした。「食べたいな～、香りがメールの添付ファイルとして、送れるものだったらいいのにな」と思ってしまった。

今朝、朝食の時に、お父さんとお母さんに「今日、横浜の中華街へ行ってきます」と言ったら、お母さんは「ホームシックになっちゃったのね」と言った。さすがお母さん！よく分かってくれる（笑）。口数の少ないお父さんさえ、わざわざ路線図で横浜までの経路を説明してくれた。お母さんは「父ちゃんが心配してるのよ、『道に迷ったらどうする？』って」と言った。お父さんは本当に典型的なＡ型の日本人男性らしいと思った。

　お父さんのおかげで、正午ちょっと前に無事に目的地に着いた。中華街大通りを歩いて、延平門をくぐると目に入ったのは久しぶりの文字、「天仁茗茶」と書いてある大きい看板だった。ここは、やはりホームシック癒しの最高の場所だなと思った。

　中華料理店が多いが、四川料理、湖南料理、そして上海料理ばかりだった。探して、探して、ようやく台湾料理店を見付けた。今日の昼食はあの懐かしい焼きビーフンとワンタンスープだった。でも、驚いたことには、台湾ドル１００元しない１食は、ここでの値段を台湾ドルに変えると、その三倍も跳ね上がった。注文したものを待っている間に、相席した日本人のお婆ちゃんと話し合った。お婆ちゃんは一度台湾へ行ったことがある。そして、あるあさり惣菜が好きにようになったそうだ。あさり惣菜といえば、あさりと生姜で作られたスープかなと思ったが、そうじゃなくて、あさり漬けだった。あさりに青ねぎ、にんにく、唐辛子、そして醤油など調味料を加えて、作った台湾の故郷料理だ。すごい！これは普通、台湾の麺屋さんでしか食べられないＢ級グルメなのに、お婆ちゃんはどこで食べたのだろう。たぶん日本の観光客がよく行く青葉などの台湾料理店の前菜で食べたのだろうと思った。

　食事後、歩き回ってみてから、やはり台湾の食料品より、中国の食料品を売っている店が多いと思った。お父さんお母さんに茶菓子として、パイナップルケーキを買った。中国結びの屋台で、最近よく「お金が足りないな」とこぼしているお母さんに、赤い魚の形をした中国結びを買って送った。それは「年年有餘（魚）」(お金がいつも余る)ということを意味している。それを聞いて、お母さんは嬉しそうに結びをかばんにつけた（笑）。

　チャイナドレス専門店も観光客で賑やかだった‧‧。　午後から、歩き回って足が棒になった。夕方、そろそろ家に帰らなくちゃ。帰る前に、あの蒸したての熱い中華まんじゅうにひかれてたまらなくて、５００円の大きいまんじゅうは胃袋を満たす晩ご飯になった。

　今日は、心も胃袋も大満足だった。一日だけで、ホームシックなんて消えてしまった。明日から新しい日々を迎えよう。