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2006-09-25 19:19:21| 人氣128| 回應0 | 上一篇 | 下一篇

東京タワ-37

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「黙るなよ」
耕二が言った。
「気難しいお子様みたいにさ」
透はむっとする。
「詩史さんの話はしたくないんだ」
「なんで?」
「なんでも」
恋はするものじゃなく、おちるものだ。
透はそれを、詩史に教わった。いったんおちたが最後、浮上は困難だということも。
わかった、と耕二は言った。わかった、お手上げだ、と。
「また電話をするよ」
「了解」
透はこたえて、電話を切った。
もうすぐだ。もうすぐ詩史さんから電話がかかる。午後四時。透は膝を抱えて頭をのせ、目をとじて待った。
電話を切ると、耕二はごろりと横になった。
「東京タウ一?」
「うん。なんとなく好きなんだ」
かなり真面目に受験勉強をして高校に合格し、電車通学にも授業にも慣れて、なんだ、進学校ったってたいしたことないじゃん、と思い始めたころ、透とたまたま帰りが一緒になった。
へんな奴だと思った。
東京タワ一なんて、いなかの中学生が修学旅行でのぼるものだと思っていた。自分では一度ものぼったことがなかったし、あれから五年たったいまも、依然としてのぼったことはない。
「ほかには?」
スニ一カ一をひきずるように歩きながら、耕二は訊いてみた。
「ほかには何が好きなの?」
透はしばらく考えて、
「べつにないな」
と、ことえた。

台長: 小葵
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