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2010-07-04 15:18:25| 人氣930| 回應0 | 上一篇 | 下一篇

羊水検査

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(これは母子手帳をもらったときにあらかじめ挟み込まれていた、血液検査を勧めるビラです。私の場合、高齢妊婦なので、この検査は勧められず、直接羊水検査を受けるようにいわれました。)

高齢出産の妊婦にとっては、羊水検査を受けるか否か、結果をどう受け止めるかは、とても深刻な問題です。また、羊水検査に対する考え方は、日本と他の国ではかなり異なるようです。私の住んでいる台湾では、34歳以上の妊婦は受けるのが当たり前、その後の対応は検査結果が出たら考えればよいといった空気が感じられます。ネットで読んだ限りでは、フランスやアメリカでも高齢出産や初期検診のときに何らかの理由で医師が羊水検査を勧めることも一般的であるような(台湾と似たような雰囲気)を感じました。

それと比べると、日本では「羊水検査を受けるかも」と親や友人に言うと、まるで人殺しを見るようなぎょっとした表情をされます。インターネットで羊水検査関連のページを検索しても、検査を受けたと自身のブログで公表した高齢妊婦の芸能人が、厳しく批判されているようすも伺えました。(http://ameblo.jp/yukino-tomoyo/entry-10072634802.html)批判は、検査を受けたこと自体、検査を受けたことを公表すること、検査結果が陰性だったことを「無事」と表現したことなどに集中していました。

また、フランスで妊娠中に羊水検査を受けることになった女性が、友人(たぶん日本人)に検査日に上の子の面倒を見てくれるようお願いしたところ、拒否されたという記事もみかけました。(http://harmonyleaves.blog61.fc2.com/blog-entry-208.html)その後誤解は解け、友人関係を回復したようですが、一時期は気まずい思いをされたようです。

また、どのページで読んだのか忘れてしまったのですが、日本では、35歳以上の妊婦の9割が羊水検査を受けないと書いてありました。また、夫の弟さんがダウン症で、夫婦で話し合った結果、羊水検査を受けることを決めてクリニックに行ったところ、そのクリニックの女医にひどい対応をされた方の体験談も読みました。(http://blog.livedoor.jp/janeinf/archives/1010852.html)検査を受けるまでにはそうとう悩み、話し合いを重ねて、意を決してクリニックに行ったのに、人でなしのように言われたらとてもきついと思いました。

また、検査の方法も、台湾やアメリカと日本ではかなり違うような印象を受けました。日本では、事前に遺伝カウンセリングを受けた後に申し込みが出来るそうです。また、前の晩から入院したり、当日も検査の前に採血をしたり、胎児がちょっと動くたびに針を抜かれ、また局部麻酔からやり直しになったり、針を何度も刺されたり、本当かどうか分かりませんが、全裸にさせられ、両手を縛られて検査を受けさせられた(にわかには信じられませんけど)、というびっくりするような記事もありました。まあ、ネットは匿名の空間ですから、どのうな人がどのような意図をもってこのような記事を書いているのか分かりません。すべてを鵜呑みにすることは出来ませんけど。台湾では、当日に行けばよくて、検査前に遺伝カウンセリングを受ける必要もなく、当日も採血や血圧測定もなし。全裸になる必要も、入院用のパジャマに着替える必要もありません。検査も10-20分くらいであっという間に終わり(羊水を抜くのは1分ほど)、検査終了後は30分ほど待合室で休んで、帰宅後は24時間安静。その後2-3日は遠出などをせず、家でのんびりと過ごすように指示されます。

費用については、日本では6-13万円くらいかかるそうですが、台湾では8000元、健康保険局から2000元補助金が出ます。検査結果は、日本では2-3週間で結果が分かるそうですが、台湾では4週間待つことになります。

こんな風に書いていると、日本は「どんな胎児であっても一度妊娠したら親は責任をもって育てるべき」という倫理観が徹底している社会だから、羊水検査を受けない人が多く、羊水検査が一般的な社会はそういう倫理観が欠落している、胎児を障害によって選別することに罪悪感を感じない社会・・・と思う人もいるかもしれません。でも、実際に台湾で暮らしていると、そういう雰囲気は感じないのです。むしろ、台湾の方が、東京よりもずっとずっと妊婦や子連れの女性に親切です。バリアフリーとか、歩道の整備といったハード面では友好的とはとてもいえませんが、そのハード面の貧弱さを親切な人たちの行動がカバーしてくれていると感じることが多々あります。先に紹介したフランスで妊婦生活を送った女性も、パリと東京の人々の妊婦に対する態度の違いを書いていますが(http://harmonyleaves.blog61.fc2.com/blog-entry-234.html#more)、東京の部分については、私もまったく同感です。中央線に乗っているときに、子連れの人が車両に入ってくると、「ガキを連れて電車なんか乗るなよ」という殺気と憎悪をしばしば感じます。ああいう都市では、いくらハード面やシステムを改善しても、子どもをつれて楽しく出かけることは不可能でしょう。

私がネットでいろいろ調べた中で、一番深く考えさせられたのが、「出生前診断の告知のあり方と自己決定の支援について考える“泣いて笑って”」というサイトでした。(http://www15.ocn.ne.jp/~nikomama/)ある晩、何時間もかけてほぼすべてのページを泣きながら読みました。私の周りには、老人医療やホスピスに関心をもっている人がいて、告知の問題や、どのように患者や家族にホスピスを勧めるかなどの問題について話しているのを聞いたことがありましたが、自分が高齢妊婦になって初めて、告知のあり方や、治療(又は妊娠)を継続するか否か、積極的な延命措置をするか否か...といった問題を自分の問題として考えられるようになりました。

今までは、知り合いが「ホスピス」という言葉を口にするのすらはばかる様子を見て、「大切な問題なのに向き合わないなんておかしい」と思っていましたが、いざ、自分と同じような月数の妊婦の過酷な体験談を読むと、「もっとちゃんと考えなくちゃ」と思うと同時に、こういう問題に怖くて向き合えないという人の気持ちもわかるような気がしました。

いずれにしても、羊水検査は流産の危険を伴うし、妊婦の倫理観や生命観も問われます。しかも、唯一絶対の正解などない中で、短期間のうちにいろいろ決断していかなければなりません。検査に対する各国の対応も違うし、それぞれの妊婦の身体状況や、夫婦の置かれた状況も異なります。担当医の方針や検査技術によっても大きく左右されます。妊婦個人の信念だけによってすべて決定できるわけではないというのが私の実感です。

<参考>
羊水検査に関するネット上の議論はかなりたくさんあります。でも、一般的な掲示板の議論は大体似たり寄ったりです。台湾を含む日本以外の議論はまだ読んでいません。日本の議論を読んだだけで疲れ果ててしまったので、これからはネットではなく、関連書籍を探してみるとか、別の方法を使って考えていきたいと思います。

救命進む一方、中絶も もろ刃の剣の出生前診断 親を支える体制整備を
http://www.47news.jp/feature/medical/news/080129ninshin.html

出生前診断-羊水検査:
http://www.hkmama.com/amuni.htm

スウェーデンでの羊水検査:
http://40baby.seesaa.net/article/125425342.html

羊水検査後の安静

http://www.babycom.gr.jp/voice/kourei/index14.cgi?action=view&disppage=1&no=22910

羊水検査のこと:
http://plaza.rakuten.co.jp/moridiary/8000

羊水検査をした事がある方にお聞きします。高齢出産の為、色々と悩んだのですが、2:

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1420048839

http://www.jineko.net/m/forum/%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AE%E5%BA%83%E5%A0%B4/94710/

台長: 雪子
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