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*聴雨軒夜語* 龍仙宝馬 訳.編
第1話: *雷を放つ神秘な女*
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*雷を放つ神秘な女*
晋の時代に義興人である周という青年が居て、ある日、馬に乗って、都市を離れて、外遊をしている時に、ある荒野の平原に着くと、日が暮れて、道端に一つ新たに建てられたばかりの小屋があって、一人綺麗な女がちょうと門から出て来て、外の様子を見渡している模様であったが、年には約十六、七ぐらいで、身に着いている服が綺麗だし、姿も優雅で品高くように見受けられた。
周という青年が彼女の目の前に通ると、周を呼び止めて言う:
「もはや、日が暮れて、前の村に着くまでには程遠いのでありますが、
貴方様は、行きたがっている臨賀県までには、到底無理のでしょうかね。。」
周は、その彼女の好意に甘えて、一夜の宿を彼女に願い込んだ。
そして、彼女は、周のために晩ご飯の用意をしてくれた。食事も終えて、
そのまま、寝泊まったのであったが、夜中の1時頃に家の外側から、小さい子供の
呼び声が聞こえて来た:
「阿香のお姉さん!」と呼んでくれた。
女は
「はい」と答えると、向こうの小さい子供から、
「内のおやじは、貴方に雷の車を押し進めてほしい。」と言った。
女は周の青年に用事があって、行かなくちゃと挨拶をしてから、
外へ出ていた。
それで、その夜には、暴風雨と雷の大暴れのであった。
朝になると女は家に戻って来た。
周の青年は、馬に乗って、彼女と別れの挨拶をしてから、遠くないところ行った時、やっばり、なんだかと納得できないと思って、彼女が住んでいる家に戻って来た。
そうすると、昨夜に自分が泊まっていた家は、僅か一つ新たに
建てられた新しい墓しか見えなかった。
墓の前には、馬の足跡や馬が食べ残った草しか見えなかった。
周はたいへんビックリした。それからの五年後に、周という青年がまさに臨賀県の知事となった。
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